02月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫04月

『ツェねずみ』 / 宮沢賢治

2013/03/21
ツェねずみ (ミキハウスの宮沢賢治絵本)
ツェねずみ (ミキハウスの宮沢賢治絵本)宮沢 賢治 石井 聖岳

三起商行 2009-10
売り上げランキング : 852529

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
気のいい火山弾 (ミキハウスの宮沢賢治絵本) 注文の多い料理店 (ミキハウスの絵本) 銀河鉄道の夜 注文の多い料理店―版画絵本宮沢賢治 どんぐりと山猫 (ミキハウスの絵本)


「ツェ」という名前の
ねずみのお話です。

「ツェ」だなんて、変な名前だな
と思ったのですが、なるほど、
このねずみの名前って、
舌打ちの音「ちぇっ」から
とったんだなということが、
読み終えるとわかります。

「ちぇっ」を宮沢賢治が表現すると
「ツェ」になるんでしょうね。

とにかく、このツェねずみの
性格が悪いことには
びっくりさせられます。

自分に起こった悪いことや
嫌なことは、全部誰かのせい。
そんなヤツの行く末は・・・
ある意味、期待通りの結末。

「まどうて下さい、まどうて下さい」
が口癖のツェねずみでしたが、
さすがに最後は
この口癖は出ませんでしたね。

ねずみが柱やバケツと普通に
会話しているシーンでは、
なぜか違和感を感じずに
受け入れることが出来ました。

小さな生き物たちは
もしかしたらそうやって
物とだって会話を交わしている
のかもしれないという
発想や想像は、きっと
宮沢賢治の世界観なんでしょう。

結末が気になる終わり方ですので、
「その後」の続きを考えてみたら
面白いかもしれません。

そういう余韻を残した
終わり方もまた良かったです。




☆ブログランキングに参加しています☆
ポチッと応援していただけると現在のランキング結果が表示されます。いつもありがとうございますm(__)m



08:00 ・み【宮沢賢治】 | コメント(0) | トラックバック(0)

『気のいい火山弾』 / 宮沢 賢治

2013/02/19
先日は、ロシアに隕石が落下したというニュースを知り、大変驚きました。負傷者の方々には申し訳ないのですが、ほんと日本じゃなくて良かった・・・と正直、思ってしまいました。あんなのが突然、光りながら空からすっ飛んでくるのを見たら、すぐに隕石だとはわかりませんよね。映画「トランス・フォーマー」を観たことのある人だったら、「ディセプティコン!?」って思っちゃうかも(あんな感じで、地球にやってきます)。死者が出なかったのが奇跡ですね。

詳しい情報によると、隕石は爆発したわけではなく、摩擦によって光りながら割れただけで、被害が大きかった主な原因としては、音速で落ちてきた隕石の前方の空気が押し出される「衝撃波」によって、ガラスが割れたり、建物が壊れたりといった被害が出たらしいですね。私が見たテレビ番組のコメンテーターの人が、「要は、空気の津波ですね」と言っていて、なるほど!わかりやすい例えだ!と頷いてしまいました。

日本でも、小さい隕石はいくつか落下していて、民家の屋根を突き破ったりしているとのこと。誰が悪いわけでもないですし、自然災害のひとつでしょうから、防御しようが無いですし、こういうことが現代に於いても起こりうるのだと思うと、ちょっと怖いですよね。

さて!今回は、隕石ではないですが、こんな石の出てくる絵本をご紹介したいと思います

ベゴ石の表情にご注目

気のいい火山弾 (ミキハウスの宮沢賢治絵本)
気のいい火山弾 (ミキハウスの宮沢賢治絵本)宮沢 賢治 田中 清代

三起商行 2010-10
売り上げランキング : 384157

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
月夜のでんしんばしら (ミキハウスの宮沢賢治絵本) 注文の多い料理店 (ミキハウスの絵本) 虔十公園林(けんじゅうこうえんりん) (日本の童話名作選) 山男の四月 (ミキハウスの宮沢賢治絵本) ツェねずみ (ミキハウスの宮沢賢治絵本)


「ベゴ石」と呼ばれている、
たちの良い黒い石が主人公。

いっぺんも怒らないので、
周りの石や蚊にまで
からかわれて・・・

でも、この「ベゴ石」の
表情を見ているとなぜか
怒りの気持ちなんて
沸いてこないんですよね。

そして、
ベゴ石の話す言葉は
実に穏やかで、
とても心の広い
印象を受けました。

そんなベゴ石だからでしょう、
からかわれている場面でも、
楽しい雰囲気で
読み進めることが出来ました。

とにかく、
このベゴ石の表情が
とっても良いんです。

全体を通してみても、
ストーリーと絵がとても
マッチしていて素晴らしく、
自然に絵本の世界へ
入っていくことが出来ました。

ずっと目を閉じていた
ベゴ石でしたが、
この絵本で唯一、
うっすらと目を開ける
シーンがあります。

見開き2ページに
描かれたその場面に、
思わず見入ってしまいました。

「私共は、みんな、
自分でできることを
しなければなりません。」

自分に置かれた境遇を、
ただただひっそりと
受け入れ続けたベゴ石。

別れの言葉の中で、
からかわれ続けたその場所を
「明るい楽しいところ」と
表現していたのには
ドキッとしました。

もしかしたら本当は、
その場所にいた方が
良かったのではないか?

例えずっと
からかわれ続けたとしても?

そう考えると
複雑な心境になりました。
このことはきっと、
ベゴ石にとって、
ハッピーエンドなんだ
と思いたい。

きっと
連れて行かれた先でも
新たな出会いが
あるはずだから。

子供に読み聞かせた当時、
からかいのシーンや、
苔がむしり取られる場面で
笑ったりしながら聞いていました。



☆ブログランキングに参加しています☆
ポチッと応援していただけると現在のランキング結果が表示されます。いつもありがとうございますm(__)m



08:00 ・み【宮沢賢治】 | コメント(2) | トラックバック(0)
« Prev | HOME |