04月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫06月

映画 『誰も知らない』

2011/08/28
今日は、先日観た映画を紹介します。



生きているのは、おとなだけですか。

誰も知らない [DVD]
誰も知らない [DVD]
バンダイビジュアル 2005-03-11
売り上げランキング : 4907


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


(ストーリー)
都内の2DKのアパートで大好きな母親と幸せに暮らす兄妹。しかし彼らの父親はみな別々で、学校にも通ったことがなく、3人の妹弟の存在は大家にも知らされていなかった。ある日、母親はわずかな現金と短いメモを残し、兄に妹弟の世話を託して家を出る。この日から、誰にも知られることのない4人の子ども達だけの「漂流生活」が始まる・・・。

『幻の光』『ワンダフルライフ』『ディスタンス』に続く、是枝裕和監督の第4作。88年に実際に起こった事件をモチーフに、東京という街で暮らす子ども達に起こる出来事を、彼らの目線に寄り添いながら精緻に描写する。着想から15年の歳月を経て遂に完成した、是枝作品の集大成にして最高傑作。


-*-*-*-*-*-*-*-
2004年8月7日公開。
母の失踪後、過酷な状況の中、幼い弟妹の面倒を見る長男の姿を通じて家族や周辺の社会のあり方を聴衆に問いかける。

1988年に発生した巣鴨子供置き去り事件を題材として、是枝裕和監督が15年の構想の末、映像化した作品。


(主なキャスト)
・福島明・・・・柳楽優弥
・福島けい子・・・・YOU
・福島京子・・・・北浦愛
・福島ゆき・・・・清水萌々子
・福島茂・・・・木村飛影
・水口紗希・・・・韓英恵
・広山潤(コンビニの店員)・・・・加瀬亮
・中延司(コンビニの店長)・・・・平泉成
・宮嶋さなえ(コンビニの店員)・・・・タテタカコ
・杉原(タクシーの運転手)・・・・木村祐一
・京橋(パチンコ屋の店員)・・・・遠藤憲一
・少年野球の監督・・・・寺島進



-------------

たまたま図書館で見つけ、観てみました。
DVDのケースに、「第57回カンヌ国際映画祭 最優秀男優賞受賞 柳楽優弥」の一文を見つけ、「あ~、そうか!この作品(で最優秀男優賞を獲った)だったんだ~」と気付いた私。2004年、当時14歳、日本人初、しかも史上最年少での受賞だったようです。当時、騒がれたのは知っていたのですが、この作品だったとは気付きませんでした

正直、海外で高く評価されてる日本映画は、私には理解力が足りないのか、はたまたそういう作品に出会っていないだけなのか、私的には心に残るような素敵な作品と感じられるものが少なく、今回も「カンヌ」の文字を観て、もしかしてハズレ?(ゴメンナサイ)なんて思ったりしたのですが、これに限っては完全に「アタリ」でした

映画の序盤、それは新しいアパートへ引っ越してくるシーンから始まります。そして、重そうに運ばれてくる2つのスーツケース。中身はなんと、2人の子ども達 そして、後から合流した子どもが1人。大家さんには、母1人、子1人、主人は長期出張中ということにして引っ越してきたんですね。(本当は、シングルマザーなのです) なので、長男以外の子ども達は、バレないようにひっそりと暮らすことが、ここで暮らしていくための「決まり事」なのです。

最初から常識を覆されるような設定にびっくりさせられたのですが、実際にあった事件を題材にしているとのことで、2度ビックリさせられました(あくまでも題材にしただけで、事件の再現ではないそうです)。

子ども4人、母親1人の仲良し家族の楽しそうなシーンが何度か出てくるのですが、それがどれもとても自然で、一般家庭の中を撮影したかのような雰囲気、何より子ども達が演技している風にはとても思えなかったので、本当に日常の中の一部を見ているかのようでした。というのも、子供たちがカメラを意識しなくなるようにした上で台本のセリフをその場で口で伝えるというかなり特殊な方法で撮影していたらしく、妙に納得。

それ故に。あまりにも屈託のない自然な子ども達の楽しそうな表情が引き出されているが故に、後に母親がいなくなってからの生活振りがとても引き立てられてもいるのです。

あっけらかんとした演技の母親役のYOUがまた、良いですね。やけにはまり役?(笑) 明(柳楽優弥)に「お母さんは勝手すぎる」と言われると、「なんで?私は幸せになっちゃいけないの?」と切り返す。そして数日後、子ども達の面倒を明へ託し、家を後にするのです。「クリスマスには帰ってくるからね」と言いながら。

お母さんの言葉を信じ、預けられたお金を片手に、妹弟の面倒を、そして生活を切り盛りしていくお兄ちゃん、明。そして結局、クリスマスが過ぎてもお母さんは帰ってくることはなく・・・

この子ども達、近所にばれないように生活しているということで、学校にも行っていないんですよね。部屋のベランダにも出てはいけない、大きな声や音を出してはいけないなど・・・決まり事はあったのですが、お母さんはっもう帰ってこないだろうという確信を得た長男・明は、妹弟を外へ連れ出します。嬉しそうな妹弟たち。それでも、外出・帰宅の際には、アパート入り口でご近所に会わないよう、十分気を付けているのが悲しい。。。

金銭的に生活が厳しくなっていくのですが、その頃の子ども達の様子がとても痛々しくて、観ていて辛かったですね。家の中は汚れていくし、電気・ガス・水道は止められ、公園で水を汲むのが日課、近所のコンビニで消費期限の切れたお弁当やおにぎりをもらっての生活

とにかく、明(柳楽優弥)の存在感たるや、半端ないです。最初の頃は、本当に子供っぽい明だったのですが、妹や弟の面倒を母親に任されてからは、お兄ちゃんらしい振る舞いが増えてきて、けれど、やっぱり中身は子供、同年代の子とも遊びたいし、学校にも行きたい、けれど妹や弟の世話をしなくちゃいけない、そういう心の葛藤が自然に表情から湧き出ていて、演技を越えたリアルな世界がそこにはあったように思います。明役の柳楽優弥は、撮影した1年の間に身長が146cmから163cmにまで伸びた上に声変わりをしたらしく、さらに、弟の茂(木村飛影)の髪の毛もかなり伸びてくるし、そういったところからもお母さんが家を出てしまってからの時間の経過を感じさせ、余計にリアルでした。

子ども達だけの生活の中では、子ども達だけでは解決できないような衝撃的な問題に直面するシーンもあるのですが、ある意味、子ども達らしい、子ども達ならではの解決の仕方で、やり過ごしていくのです。

子ども達が頼れる大人が、近所のコンビニの店員というのがやけにリアルで、なんだか悲しくなりました。こんなことが現実に起こることは、絶対に避けなければならないことだし、もし子ども達だけで生活したらこんなことになるんだろうなとという恐怖のシュミレーションを垣間見たようでした。

私にとっては、いろいろと考えさせてくれる、心に残る作品に1つになりました。


公式サイトは、「こちら」になります。
この映画をまだ観ていないという方は、是非ご覧になってみて下さい。



☆ブログランキングに参加しています。

今日は何位かな?
1クリックしていただけると大変励みになり、更新が早まります(笑)





09:00 映画・ドラマ・アニメの紹介 | コメント(0) | トラックバック(0)
コメント

管理者のみに表示