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映画 『群青の夜の羽毛布』

2011/07/15
今回観た映画はこちらです


助けて。もう自分を抑えられない

群青の夜の羽毛布 [DVD]
群青の夜の羽毛布 [DVD]山本文緒

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(ストーリー)
憧れの年上の女性さとる(本上まなみ)と付き合い始めた大学生の鉄男(玉木宏)。丘の上の家に母親と妹と一緒に住む彼女は、家庭的で物静かな一方、鉄男が戸惑うほど激しく愛を求めてくる。やがて鉄男はさとるが見せる不可解な言動に不審を抱き始める。美しい年上の女性に隠された秘密を若い青年が探っていくミステリアスなストーリー展開に、現代女性の心の闇が浮かび上がる。清純派女優・本上まなみが映画初主演にして、大胆なラブシーンに挑戦した話題のラブ・サスペンス。「がんばっていきまっしょい」の磯村一路監督が20代女性の危うくも切ない恋愛模様をミステリアスに描く。

(DVDの解説より抜粋しました)

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2002年10月5日公開。原作は、山本文緒の小説『群青の夜の羽毛布』。

(主なキャスト)
さとる・・・・本上まなみ
鉄男・・・・玉木宏
さとるの妹・・・・野波麻帆
さとるの母・・・・藤真利子
さとるの父・・・・小日向文世



映画のタイトルにある「群青(ぐんじょう)」とは、鮮やかな藍がかった深い青色のことです。観ていただければわかると思うのですが、ほとんどのシーンがこの群青色で覆われたシーンになっています。画面が深い群青色に覆われているので、正直、演じている方々の表情や行動がよく見えなかったりするのですが、その色が主人公の さとる(本上まなみ)の心の闇を表現していることは、映画を見始めてすぐに解りました。

さとるは、見るからに心身共に弱そうな感じ。大学生の鉄男(玉木宏)とは、鉄男のバイト先のスーパーにお客としてやって来たさとるが、店内で貧血を起こし倒れたことをきっかけに親しくなっていくのですが、この後に登場するさとるの母親が尋常じゃないです。初めて登場したシーンで、なんだか癖のありそうな雰囲気の母親だなとは思ったのですが、この母親がさとるにとってこんなにも深い「ダークサイド的存在」だったとは思わず、この異様な雰囲気についつい引き込まれてしまいました。

さとるは24歳なのですが、門限があるんですよね。門限は22時なのですが、さとると鉄男がデートした日、鉄男が車で事故を起こしてしまい、門限に遅れたことがあったんですね。帰宅するやいなや「何時だと思ってるの!」と、母親がさとるにぴしゃりとビンタ泣きじゃくるさとるの髪の毛を掴み、家の中へ引っ張っていく母親。「お母さん、違うんです、実は事故を起こしてしまいまして~」と言っている途中に、鉄男にもビンタ!!この辺から(この母親、なんかヘンだぞ?)という気持ちが鉄男にも視聴者にも沸いてくるわけです。

そして、この厳格な母親の態度の影響だと思うのですが、家庭でのさとるの様子がとっても不自然なんです。常に母親の顔色を見ながらビクビクしている感じ。。。さとるに対して常に命令口調の母親。口答えなど決して許されない雰囲気。観ていると、さとるの妹だけがとってもまともな人間に見えてきます。母親に管理されまくっているさとるは、見るからに異常な状態なんです。

もちろん鉄男も、さとると付き合っていくうちに、さとるの心身共に不安定な状態、母親との不自然とも思える関係に気付き、「君は、お母さんに縛られ過ぎている」と助言するわけですが、「お母さんは私を守ってくれている」と、さとるは言い切ります。今のこの状況から抜け出したいと願っている気持ちとは裏腹に、母親から離れられない自分を肯定してるともとれる発言。問題は、とても根深いようです。お母さんとさとるの関係、観ていてとてもリアルで、ある意味、とてもホラーな印象を受けました。お化けは出ないんですけど、全体的に群青色で薄暗いし、なんだか怖いです

でも、さとるの本心は「今の現状」から逃げ出したいんですよね。その気持ちを表現している場面が、何度も出てくる鉄男とのベッドシーンなのかな、と思います。それは、誰かに守られたいという安心感を求めてのことなのかな?と思うのですが、物静かなさとるがこの時ばかりは別人のように積極的な印象を受けました。そのシーンでいつもさとるが自分の手の爪を噛んでいるのですが、大人になってまで爪を噛む癖があるっていうのは、癖っていうよりチックに近いのかな?と思います。さとるの不安定な心境をよく表してると思います。

後半、あんなに鉄のように強い人だと思われていたさとるの母親が、鉄男の前で心の内を語るシーンが出てきます。本当は、さとるに自立してもらいたいと願っている母親。休み無くさとるのことを気に掛けなくてはならず、疲れた・・・私だって本当は休みたいのよ、と。なんだ、本当はしっかりした母親なのかも、とその時初めて母親のことを違う目で見ることが出来たんですが、鉄男はそれをどう感じたのでしょうか、その後なんと鉄男と母親が・・・・あんなことになってしまったりとか、さとるの家族の言い争いのシーン、謎となっていたさとるの父親も登場し、一気にバタバタと激しい展開が繰り広げられます。そのまま家族もろともダークサイドへ墜ちてしまうのかと思うような展開

でもね。色々あった後の、映画の一番最後のさとるのセリフに、私は鳥肌が立ちました。さとるにとって鉄男の存在がとても大きかったんですね。人との出会いって大事だなって思いました。人は人によってのみ変わっていけるのかもしれません。

ラストの方、「家族ってなんだろうね」という妹のセリフがあるのですが、とても深い意味に感じたのはきっとこの映画の修羅場を見終えたからですね。家族のあり方、親と子の関係、いろんな深いテーマが折り込まれている、心に残る作品でした。主人公の「さとる」という名前、女の子の名前にしては珍しいなと思ったのですが、もしかしたら親の気持ちを悟って行動してしまうの「さとる」と引っかけてのネーミングだったのかなとちょっと思いました。

本上まなみはこれが映画初主演なんだそうですが、「さとる」のイメージにぴったりで、観ていて全く違和感がなかったです。それだけなりきっていたということなんでしょうね。玉木宏は、撮影当時の年齢が22歳で、大学生の鉄男とちょうど同じ年代だったこともあり、その年頃の青年を等身大でとても自然に演じていたように思います。玉木宏ファンとしては、シャワーシーンで玉木宏のおケツが映ってたことにちょっと衝撃を憶えました

原作が山本文緒なのですが、山本文緒さんの本は実は今まで読んだことが無かったで、これを気にいろんな作品を読んでみたいなと思います。


気になる原作本はこちらです。
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