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『危ない公文式早期教育』 / 保坂 展人

2009/01/28
今回は、こんな本を読んでみました。

危ない公文式早期教育
危ない公文式早期教育保坂 展人

太郎次郎社 1994-05
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公文式“プリント狂”時代の終わり くもんのヒミツがわかる本 (eduコミユニケーションMOOK) 定本 公文式の主張 公文式がわかる―なぜ、自分で考え、自分で学び、伸びていける子が育つのか? このままでいいのか、超早期教育 (子育てと健康シリーズ)


世間にはいろんな早期教育のビジネスがありますが、この本では主に「公文式早期教育」に焦点を絞って書かれています。2歳からの読書、優秀児を育てるために四六時中、胎児への読み聞かせ、小学生が方程式を解けると大宣伝している公文。偶然、NHKスペシャルの早期教育映像(小学生が数学の「微分・積分」をすらすらとやり、高校生レベルの国語プリントに挑んだりという早期教育の実態をかいま見せた番組)を見て衝撃を受けた筆者が、当時、優秀児と言われた子供達の10年後の追跡調査や、教室の指導者たちの証言などを受け、この本を書き進めています。幼児からのインプット漬けで、子供は本当に賢くなるのか?そういう生活を送った子供達に本当に弊害はないのか?などなど、筆者の鋭い視点からの疑問が次々に投げかけられていて、大変興味深く読ませていただきました。

筆者が注目して書かれている子供達は、一日に数時間のプリントやカードをこなしたりする、極端に公文漬けされていると思われる例を取り上げているような気もするのですが、現実にそういうメニューを来る日も来る日もこなしていかなければならない子供達がいるわけで、そういう子供達の実体の裏には、勉強をしている子供を見て満足・安心しようとしている親の姿もあるような気がして、正直、ぞっとしました。怒鳴りつけてまでプリントをやらせようとしたりする親の姿なども書いてあったりして、いったい誰のための勉強なのか?なんてことも客観的に考えさせられました。

6歳で方程式までいった子が、公文式をやめて三ヶ月も経つと、かけ算やわり算を忘れてしまったという例なども出ています。それから、公文で先取り学習していた子で、いざ学校でそのことを習いはじめたときには、すっかり忘れているなどという記述もあったりします。個人的には、先取り学習も、少し先を進む程度ならば良いのでしょうが、度を超したレベルの学習は、単なる時間の無駄になってしまうような気もして、早期教育というものを改めて考える良い機会となりました。

教室の指導者の証言などから、公文の裏側の事情が知れたのも興味深かったですし、公文会長の言動なども今まで知らなかったので、それもまた興味深く読ませてもらいました。東大にこだわっている公文会長ですが、ご子息は、東大に行けていないというオチ(ではないでしょうけれど)に、苦笑してしまいました。

早期教育に力を入れている親御さんはたくさんいらっしゃいます。ただ、早期教育に力を入れている間に失っている時間があること、子供がいろんな経験が出来るはずのチャンスを逃しているかもしれないということを、親は常に念頭に置いておくべきなんでしょうね。

この本は1994年に初版発行されていますので、内容としては少し古いのかもしれませんが、現在にも十分通用する内容も秘めていると思います。



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09:00 ・【アドバイス系・参考系の本】 | コメント(2) | トラックバック(0)
コメント
No title
詰め込み・インプット教育的なイメージが強くて大昔からちっとも関心がなかった公文式・・・ホントにそうなんですね。

うちの子供たち5人、小さい頃からその友達たち等、それ相応の人数の子供達を眺めてきましたが、公文やってる子は確かに勉強が良くできるようです。

でも人間的にどうなの??いじめっ子タイプに近いような・・・それもかなり陰湿なタイプの子供を何人も知ってます。

勉強が出来ることはそりゃ大事、いい学校へ行っていい会社や高級公務員になって、楽な安定した生活をするにはそれが一番。

でも、人間としてホントの幸せはそんなとこにはないんですよね。
Re: No title
> でも、人間としてホントの幸せはそんなとこにはないんですよね。

同感です。学生のうちは学力のことを何かと気にしなくてはいけないので、それにしか目が向きませんが、社会人になってからはやはり、学力より人間力のほうが断然重要だなって思います。人が人と接することの大切さ。そして難しさ。私自身が子供に一番感じて欲しいのは人とのつながりの大切さですね。

インプットに費やしている時間がもったいないです。もっと子供達には遊んで欲しい!

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