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『はだしのゲン 愛蔵版』 / 中沢啓治

2007/08/28
戦争の本といえば、真っ先に思い出すのがこれになります。

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ちょっと前に「はだしのゲン」のアニメの紹介記事を書かせてもらったのですが、子どもの頃に読んだことのあるコミックの内容とどうしても違う個所が多々あって、物足りなさが残っていたんですね。それで、そのもやもやを取り除こうと読み始めたのがこれになります。

ゲンを通じて被爆者達の悲惨な生活ぶりが生々と表現され、戦争のむごさをもしっかりと省略することなく表現されていると思います。アニメやドラマでこれを全て表現できなかったのは、リアルすぎたから??戦争の実状をしっかり表現しているコミック版こそが、是非知って欲しい「はだしのゲン」だと私は思っています。(でもドラマのストーリーは、比較的原作に忠実に制作されていたように思います)

アニメやドラマでしか「はだしのゲン」を知らない人のために、また、私自身が「はだしのゲン」を長く記憶しておくために、「はだしのゲン 愛蔵版」の第1巻の内容をざっとまとめてみました。ここまでストーリーを載せている人は、あまりいないかもしれませんが。(問題がありましたら、すぐに削除しますのでお知らせ下さいね)


●はだしのゲン愛蔵版 第1巻

麦を育てている中岡家。父ちゃんの口癖は、「お前達もたくましい麦みたいになれ」

昭和20年4月。
日本がアメリカとイギリスと戦争を始めた太平洋戦争も終わりの頃の広島市。日常的に発令される空襲警報。防空壕へ避難する日々。
「昼間から堂々とアメリカが攻めてくるようじゃ日本はこの戦争に負ける」と父ちゃん。「アメリカと日本では資源が違う。資源のない小さな国の日本は平和を守って世界中と仲良くして貿易で生きるしか道はない」と訴える。しかし、戦争に反対している父ちゃんは、非国民と言われ近所に睨まれる日々。家族もまた父と同様に非国民と罵られ、辛い日々を送っている。

中岡家は、父ちゃん、母ちゃん、浩二、昭(あきら)、英子、元、進次の7人家族。学生の長男の浩二は、戦争のため工場の手伝いを強いられ、実家を離れて寮へ。次男の昭は、学校の集団疎開で田舎へ。長女の英子は体が弱く、集団疎開へは行かず。元と進二は、集団疎開の対象年齢に満たずに広島へとどまることに。

絵付け職人の父ちゃんは、イモ1個でケンカをしている子供達のために毎日仕事を続けるが、そう容易く食糧が手に入る時勢ではなく、生活は相変わらず苦しい。

そんな中、中岡家を目の敵にしている町内会長親子の策略で、父ちゃんが警察に連行される事態に。軍国主義の日本で戦争に反対したために、警察官にめちゃくちゃに暴行される。それでも、「自分が正しいと思ったことは安っぽく曲げちゃいかん」と父ちゃん。父ちゃんの敵と、元と進次が町内会長の指を噛み切るシーンは、衝撃的。(そのちょっと前に、町内会長の息子も指を噛み切られるシーンもある。)

誰もが中岡家を非国民と避けて通る中、ただ一人、中岡家の味方をする人が。それは、中岡家の自宅裏に住んでいる朝鮮人の朴(ぼく)さん。日本の植民地にされた朝鮮人は、無理やり日本に連れてこられ、働かされたり、兵士として戦場へ駆り出されたりしていたのだ。「非国民だと罵られても戦争に反対している中岡さんを尊敬している」という朴さん。

そんな中、突然、海軍へ志願すると言い出した長男の浩二。戦争を嫌う父ちゃん、母ちゃんは大反対するが、「わしは父ちゃんのように戦争を嫌って非国民なんかになりとうない!」と浩二。そんな浩二の胸中には、(家族や自分のために戦争へ行かなくてはならない)という思いがあったのだ。自分自身が海軍へ行くことで、非国民だからと受ける激しい差別から、家族や自分自身を解放したいという思惑があったのだった。

最後まで浩二の海軍行きに反対し続けた父ちゃん。浩二の見送りにも来ないかと思いきや、浩二の乗る機関車の線路脇で「中岡浩二ばんざーい 中岡浩二ばんざーい」と泣く泣く見送る。その胸中では、 (どんなことを言われても死ぬな!弱虫になれ、卑怯者になれ!どんなことがあっても生きて帰れ!)という強い思いがあったのだった。

昭和20年5月。
連日のB29の猛攻で日本本土は血に染まり、もがき苦しむ声で溢れた。
南方の戦地でも日本軍の玉砕が続き、日本人の命が血と死体で埋まっていた。

アメリカの兵士に捕まることを恐れ、「天皇陛下バンザーイ」「大日本帝国バンザーイ」と崖の上から次々と飛び降りて死んでいく女・子供達。天皇のために死ぬことが誇りであると教えた戦争教育は、日本人が簡単に命を捨てる人間に変えてしまったのだった。

それでも戦争指導者達は、日本が勝ち進んでいるが如く嘘で固めた報道をラジオや新聞で流し、国民に戦争を駆り立てる卓上の議論にふけっていた。

昭和20年6月。
広島市は食糧が底をつき、飢餓状態。中岡一家は、田舎の親戚からイモを大量に分けてもらうも、ヤミで手に入れただろうと警察官に疑われ、イモは没収されてしまう。

その頃、日本最後の砦、沖縄は血の海と化していた。日本軍兵士10万9千人、沖縄市民10万人が戦死・・・

昭和20年7月6日。
アメリカの西部 ニューメキシコの砂漠で人類史上初めての原爆実験が成功。
同じく7月26日、ポツダム宣言が発表されたが、日本の戦争指導者達は最後の一人まで戦争を続けるとポツダム宣言をはねつけたのだった。これにより、ついにアメリカは原爆投下計画を実行に移すことになる。

一方、海軍へ志願した長男浩二は、くる日もくる日も兵士になる猛訓練と勉強が続き、命令には絶対服従の軍人精神を殴られることによってたたき込まれていた。予科練では、自殺者が出るほどの厳しさ。息子の死を名誉ある死だと喜ぶ親を見て、浩二は、日本中が戦争に狂っていることを身を持って知るのだった。そして、父ちゃんが戦争に反対している理由が正しいことに気が付くのだった。

昭和20年8月6日午前1時35分。
マリアナ諸島にあるアメリカのテニアン原爆基地より、3機の気象観測機が第一攻撃目標である広島市を目指して飛び立った。「天気は良好」の報告により、原爆投下は広島上空に限られる。原爆投下は、8月6日、日本時間8時15分と決定される。

・・・ゲン達の住む広島市は、恐るべき運命の時を刻んでいた。

8月6日早朝。
空襲警報が発令されるも、すぐに解除される。(この日第一回の空襲で原爆が投下されていたら、防空壕に入っていた多くの人が助かっていたかもしれない。)

学校へと急ぐゲン。家事に追われる母ちゃん。仕事を始める父ちゃん。学校へ行く準備をしている英子。もらった軍艦を手に楽しそうな進次。広島ではいつもと変わらぬ一日の活動が始まっていた。

学校の校門前。おばさんに呼びかけられ、塀の前で立ち止まるゲン。ふと見上げた遥か上空には、空襲警報もならないのにB29の姿が。「いつの間に来たんじゃ?」とゲン。「何か白い物が落ちてくる」とゲンが思った瞬間、広島上空1800フィートで、ものすごい光と共に、原子爆弾はとうとう爆発したのだ。


3分間で原子雲は3万2千フィートまで上昇、ぐんぐん広がっていった。


原爆の熱線は屋外にいた全ての人の皮膚を溶かした。(黒い服を着ていた人は輻射熱(ふくしゃねつ)で火傷が特に酷かった。)爆風で衣服を吹き飛び、みな裸同然だった。

学校校門の塀の影になり奇跡的に助かったゲン。周りの豹変振りに動揺しつつも、家族へ会いに自宅へ走って戻る。
ベランダで洗濯物を干していたため、外へ放り出されて助かった母ちゃん。しかし、父ちゃん、英子、進次は、倒壊した家の柱に挟まれ、身動き取れない状況に。必死に助け出そうともがくゲンと母ちゃん。とうとう家に火が燃え移り、究極の決断を下さざるを得ない状況に。

「お前達だけでも助かるんだ!」と父ちゃん。

「ここで一緒に死ぬんだ!」と母ちゃん。


父ちゃんが必死に叫ぶ。

「お前にはまだ母親の役目が残っている。疎開に行っている昭、予科練の浩二、それに腹の中の赤ん坊を育てる仕事があるぞ!」

(ゲンに向けて)「お前の弟か妹かどっちかがかあさんの腹の中にいるんだ、死んじゃいけん、生きるんだ、生きるんだ!」

必死の父ちゃんの叫びを聞き入れ、その場から逃げようとするゲン。けれど、母ちゃんは「一緒に死ぬんじゃ」とその場から動こうとしない。迫りくる炎の中、ゲンは途方に暮れる。

・・・第2巻へつづく




続きが気になる方は、是非ご自分でコミックを読んでみて下さい!
実は、アニメで「はだしのゲン」を見て以来、5才の息子がハマッテしまい、このコミックもパラパラめくって読んでいます。息子によると、1巻と2巻が特にオススメなんだそうです。戦争を知らない子に戦争のむごさを伝えるには、コミックなどの手段が特に有効なのかもしれませんね。


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08:52 ●漫画・コミック | コメント(0) | トラックバック(0)
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