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『大きな木のような人』/いせひでこ

2017/01/13
大きな木のような人 (講談社の創作絵本)
大きな木のような人 (講談社の創作絵本)いせ ひでこ

講談社 2009-03-19
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30年以上旅をし、本を読み、世界中の木と人々の関係を研究してきた「わたし」と、植物園へ通い続ける女の子「さえら」のひと夏の交流のお話です。

花を引き抜いてしまった「さえら」に、「わたし」は、ひまわりを種から育ててみることを勧めます。植物園のあちこちに出没する「さえら」は、最初こそ問題児扱いでしたが、次第に植物園の一員として受け入れられるようになります。

読み始めてすぐ、「人はみな心の中に、一本の木をもっている。」という一文が出てきます。最初、なんの脈絡もない一文のように思えたのですが、何度か読み返すうちにふと感じるものがありました。

いろんな解釈があるとは思いますが、この一文を挟んで「さえら」との思い出が描かれていることから、「わたし」の心の中にある一本の木に「さえら」との思い出が深く刻まれているよ、ということの表れだったのかな?と私は感じました。

やがて、「さえら」との別れの時が静かに訪れます。「さえら」の育てたひまわりがしっかりと根をおろして育ったように、「さえら」の心の中の木も「わたし」と出会ったことで成長したことが伺え、なんとも不思議な気持ちになりました。

別れの時まで「さえら」を優しく見つめ続けた「わたし」。それはまさに「大きな木のような人」でした。

木と人の心。木に対して、こんな風に感じたことが無かったので、とても新鮮な感覚でした。おそらく、一度読んだだけでは理解できない絵本だと思います。是非何度も読み返してみて下さい。毎日植物園はやって来た「さえら」のように。読めば読むほど、味わい深くなる一冊です。


★著者 いせひでこ さんとは?

伊勢 英子(いせ ひでこ) 1949年5月13日生まれ 日本の絵本作家。
夫はノンフィクション作家の柳田邦男。
38歳頃、眼の疲労から右目の網膜剥離を患い、今はほとんど見えないらしい。

こんな映画を発見!
ヒューマンドキュメンタリー映画 『いのちのかたち −画家・絵本作家 いせひでこ−』




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08:00 ・心に響く・考えさせられる絵本 | コメント(0) | トラックバック(0)
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