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『少年時代』/藤子不二雄

2016/10/02
第二次世界大戦の激しさが増す昭和19年夏、東京の世田谷国民学校5年生の風間進一は富山県泉山村に縁故疎開する。なれない環境に戸惑う進一は、村のたくましい少年タケシと出会い友情を感じる。しかし、二人の時は優しい一方で突然威圧的な態度をとるタケシの二面性に進一は驚くのだった。

山村の美しい、豊かな自然を背景に繰り広げられる、少年達の切ないまでの心の葛藤のドラマ。


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図書館で見つけた漫画です。全3巻。著者は、藤子不二雄A。
柏原兵三の長編小説『長い道』を読み、<これは自分の物語だ>と思ったという藤子氏は、『長い道』に刺激され、自分の疎開体験を漫画に書こうと思ったのですが、あまりにも『長い道』と自分の体験がオーバーラップしている事に驚き、悩んだ末、『長い道』を原作としての漫画化を思いつき、この作品が生まれたとのこと。

集団疎開という言葉は聞いたことがありましたが、それとは別に、親戚を頼って個別に疎開することを「縁故疎開」と呼ぶことを初めて知りました。突然慣れない環境で生活しなくてはならない疎開する側の子供の心境、突然見慣れない子を受け入れなければならない疎開を受け入れる側の子供の心境。ましてや戦争という混乱期、子供たちはこんな風に心落ち着かない日々を送っていたんだろうと想像できる内容になっています。

疎開先で進一はタケシという少年と親友になりますが、級長であり同級生の少年達の中の権力者であるタケシは、進一と2人きりの時は優しいのだけど、何故か学校内では進一を冷たくあしらいます。暴力で同級生達を支配していたタケシ。しかしやがて、復学した級友との権力争いが勃発し、進一や級友達はその争いに巻き込まれていきます。

大人には大人の社会があるように、子供には子供の社会があるんですよね。読み始めて何がイヤだったかって、それはタケシがいつも暴力で級友達を自分に従わせていたところ。なんですぐに暴力を振るうんだろう?と思っていたのですが、その理由ともいえるタケシの事情も後半少しずつ分かってきます。暴力の反面、タケシが時折見せる優しい姿に、タケシは良いやつなのか悪いやつなのか混乱させられます。今で言うとタケシは、いじめっ子のリーダーと言ったところでしょうか。けれどもタケシは、単純にイジメを楽しんでいるわけではなくて、しっかりと正義も持ち合わせているところが良い。憎たらしくもあるけれど、尊敬できるところもある。タケシという不思議な存在が最初から最後まで進一にとっては大きなものとなっています。進一とタケシのちょっとひねくれた友情関係、ラストが予想外で涙を誘います。

『少年時代』の原作となった本はこちら。
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映画化もされていたようです。機会があれば是非観てみたいと思います。

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