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『ちいちゃんのかげおくり』 / あまんきみこ

2016/09/17
夏の夜の空襲で家族と離れ、一人ぼっちで町をさまよう、ちいちゃん。
悲惨な戦争の陰に、小さな命を閉じた女の子の姿を静かに描いた絵本。


ちいちゃんのかげおくり (あかね創作えほん 11)
ちいちゃんのかげおくり (あかね創作えほん 11)あまん きみこ 上野 紀子

あかね書房 1982-08
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ある日の空襲で、お母さんとお兄ちゃんとはぐれてしまった、ちいちゃん。知らないおじさんや近所のおばさんが、ちいちゃんを助けられるタイミングはあったはずなのに。けれども、ちいちゃんとお母さんの再会を見届ける前に、みんな立ち去ってしまうのです。みんなが自分のことで精一杯。たった1人、お母さん、お兄ちゃんとの再会を待つちいちゃんの唯一の心の支えは、家族でやった「かげおくり」でした。

この絵本には、戦争を責めるような言葉は一つも出てきません。けれども、ちいちゃんを通して、こんなに小さな子どもをも巻き込んでしまう戦争とは如何なるものか、ということがしっかりと伝わってきます。現実に、このちいちゃんのように誰にも気付かれずに亡くなった方がたくさんいたのでしょう。そして、その一人ひとりに様々なドラマがあって、戦争さえなければ続くはずだった未来が、その人の命と共に消え去った事実を想像すると、胸が痛みました。

表紙絵のちいちゃんの、可愛らしくも寂しげな表情が全てを物語っているように感じます。「かげおくり」が、子ども達にとって楽しい遊びとなりますように。未来の子ども達が、明るい表情で素晴らしい未来を切り開いていけますように。戦争のない世の中を、願わずにいられません。シンプルながら、強いメッセージを感じられる1冊です。


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08:00 ・あ【あまんきみこ】 | コメント(0) | トラックバック(0)
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