本の紹介 『陰日向に咲く』

劇団ひとりさんの処女小説です!

陰日向に咲く
陰日向に咲く劇団ひとり

幻冬舎 2006-01
売り上げランキング : 1432

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
ホームレス中学生 ドロップ 一人二役 14歳 (MouRa) 東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~


本の目次は5行だけ。
「道草」「拝啓、僕のアイドル様」「ピンボケな私」「over run」「鳴き砂を歩く犬」。
それぞれのお話は短編で、それぞれ主人公とされる人物も違うし、一見繋がりの無いお話に思える。けれど、読み進んでいくうちに「あ〜!あの人か〜!」と気付かされる。そう。それぞれのお話は関係ない振りをしていながら、実は大いに関係あるのだ!

短編同士がリンクしているという設定、処女作とは思えない、まして芸人が書いたとは思えない、本格的な出来栄えに仕上がっている一冊だと思います。ホームレスに憧れるサラリーマン、アイドルが好きなオタク、今の夢はカメラマンってことにしている二十歳のフリーターの女、ギャンブルで借金まみれの男、鳴いてばかりの鳴子。主人公はみんな、世間的には底辺の陰で生きていると思われる人達。そんな人たちの心理描写を劇団ひとりの独特な観察力でなかなか巧みに表現されていて面白おかしく読ませてもらったという感じでした。

基本的には、主人公の心の声を文字にして書かれてあるので、普段の会話でよく使われるような言い回しがほとんどで、すごく読みやすかったです。1〜2日もあれば読破できると思います。時々、劇団ひとりらしいなという言い回しなどがあったりして、ネタ作りの感覚で書いたんだろうなと思われる個所もありました。

個人的に気に入ったキャラは、「拝啓、僕のアイドル様」で出てくるミャーコかな(笑)ドロ子のあたりがかなり笑えました。最後の「鳴き砂を歩く犬」は、本の最後を上手く完結させるためにちょっと無理やりまとめた感があって、その辺がちょっと残念。まだまだ小説家としてのスキルアップが期待できる作品だと思います。

2008年1月に映画化もされているんですよね。公式サイトはこちら。そして2008年7月には、早くもDVDがレンタル、そして発売されるらしいです。原作を読み終えた今、どんな風に映画化したのかなとちょっと見たい気もします。


☆ブログランキングに参加しています。

今日は何位かな?
1クリックしていただけると大変励みになり、更新が早まります(笑)




本の紹介 『佐賀のがばいばあちゃん』

島田洋七さんの、話題になった一冊です。




( 著者 )島田洋七
(出版社)徳間文庫

(あらすじ・感想)

何かとメディアでも取り上げられることの多かったこの本。
どんなものかと図書館で予約待ちして借りて読んでみました。

読んでみればわかりますが、面白いです。
何日かかけて読むつもりでしたが、一気に一日で読んめました。
言い換えれば、その程度の内容の本なのですが、その程度のことをやっていない、
その程度の思考回路が発達していない人間が世の中になんて多いことか!
ということが痛感させられます。

ばあちゃんの発言、一つ一つに「そうだよね」「そうそう」と頷けたり、
「それはちょっと!」と笑えたり。
人生は考え方ひとつでこうも見え方が変わるものかと思い知らされます。
教訓ぽく無く、あえてさらっとおばあちゃんとの出来事を綴った形の本にしたのが
好印象です。

ばあちゃんのすごさとは、常識に囚われない発想力・想像力、そして
それを実際に行動に移してしまうという実行力から生まれた総合的な
強さからくるんじゃないかと思います。
周りと違うことをやるには、勇気が要りますよね。
面白いなとは思いますが、その背景にばあちゃんの強さを感じます。
こんなばあちゃんが日本にいっぱいいたら、少しは住み良い世の中になるのかも。

本当は、おじいちゃん、おばあちゃんから教わることってもっともっとあるはず。
日頃おじいちゃん、おばあちゃんと接することがほとんどない人達に、
是非読んで欲しい1冊です。

☆ブログランキングに参加しています。
 お?と思いましたら、ポチッとお願いします。 いつもありがとう!



本の紹介 『14歳』

千原ジュニアの、ひききもり体験が書かれた一冊です。



( 著者 )千原ジュニア
(出版社)講談社

(あらすじ・感想)

ご存知、お笑いコンビ”千原兄弟”の弟の方が書いた自伝的小説です。
テレビで何度か、「昔、引きこもっていた」という話を聞いて知っていたので、
その時の状況がどんな風に書かれているんだろうという思いから、手に取ってみました。

14歳という多感な時期に経験し感じたことを率直に書いたという印象が強かったですね。
文章も自問自答的なものが多かったりするのですが、逆にそういう文章をそのまま
取り入れていることで一人で悶々と考え続けている様子が伝わってくるので、
良かったように思います。

部屋にカギを取り付けるシーン。カギのナンバーが6210(ムジントウ)だったり、
テレビのスナアラシの話は、すごくインパクトがありました。
スナアラシの中の虫を身体に取り込んだり出したりというシーンがあるのですが、
私自身も物事を無心に見つめる癖が子供の頃によくあったので、
個人的にそういう状況が理解できるというか、共感できるというか、
そんな感覚で一気に読み切ってしまった、という感じでした。
スナアラシのような表現は、経験した人でなければ想像できない世界だと思います。

周りと同じことを、周りと同じようにこなすことを良しとする社会。
協調性という言葉で、個人の個性を失わせている集団社会。
はみ出たら叩かれる、そんな社会。
そんなことをこの本を読みながら考えたりさせられました。

ここに出てくる14歳の少年は、前向きなひきこもりをしていた、
というところにとても好感が持てます。
きっと、この少年は精神的に大人になるのが早かっただけ何じゃないかな。
ムジントウから脱出するきっかけが、おばあちゃんとの旅行だったり、
兄の誘いだったりするのですが、人は人によって助けられるんだってこと、
人は人との繋がりで成り立って行くんだなっていうのが、
この本を通して、14歳前後の同年代の子達に伝わればいいなって思います。

少々、小難しいことを書いてしまいましたが、内容的には1日で読破可能なぐらい、
読みやすい内容になっています。

この本の関連で、こんな動画を見つけました。
本を読み終えてから見ると、おもしろいですよ。

単行本『14歳』刊行記念


☆ブログランキングに参加しています。
 お?と思いましたら、ポチッとお願いします。 いつもありがとう!