『3びきのくま』/(訳)ささきたづこ

イギリス民話 3びきのくま
イギリス民話 3びきのくまバーナデット ワッツ

西村書店 2009-07
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トルストイの「3びきのくま」しか読んだことがなかったので、こちらの絵本も読んでみることにしました。

「3びきのくま」といえばロシア民話だとばかり思っていたのですが、こちらの絵本はイギリス民話のようです。ストーリーはほぼ一緒なのですが、微妙にニュアンスの違っているところがありましたので、その違いを楽しみながら読みました。

まず、絵がとてもかわいらしいので、クマの表情も軟らかい印象で、クマが怒っているシーンもそんなに怖く感じられませんでした。全体的に、淡々と話が展開していく感じです。

クライマックスのクマと女の子が遭遇するシーンでは、ビックリした女の子が、慌てて窓から飛び出して逃げるかと思いきや、階段を駆け下りて、上品に逃げていきます。なるほど、そういえばこの絵本ではベッドは2階にありました。2階の窓から女の子が飛び降りるのは危険ですものね(笑)

女の子を追いかけたクマでしたが、女の子が金髪だったので、キラキラ光ってまぶしくて捕まえらませんでしたという展開には、ついついツッコミを入れたくなりましたが、絵のイメージからいくとそれもありかな?

イギリスのテイストがいっぱい詰まった「3びきのくま」、楽しませてもらいました。優しいイラストだったので、ドキドキ感が半減してしまったのが少し残念でした。


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『スーホの白い馬』/大塚 勇三

スーホの白い馬―モンゴル民話 (日本傑作絵本シリーズ)
スーホの白い馬―モンゴル民話 (日本傑作絵本シリーズ)大塚 勇三 赤羽 末吉

福音館書店 1967-10-01
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モンゴル民話です。
教科書にも掲載されていて有名なお話ですが、私自身も息子も、教科書でお目にかかることが出来ず、きちんと読んだことが無かったので、あえて今回、図書館で絵本を借りてきて読んでみました。モンゴルの伝統楽器、馬頭琴の由来にまつわるお話です。

貧しい羊飼いの少年スーホに偶然助けられた白い子馬。スーホに大事に育てられ、数年後には立派な白馬に成長します。ある時、殿様が自分の娘の結婚相手を探すために開いた競馬大会に参加したスーホは、見事、白馬で一等を獲得するのですが・・・

一等を獲得して、良いことが起きるかと思いきや、事態は悪い方へと流れてしまいます。馬頭琴という楽器に、こんな由来があったとは知りませんでした。スーホが白馬を思う気持ち、そして白馬がスーホを思う気持ちが、最初から最後までひしひしと伝わってきました。

体に矢を射られながらも必死に逃げ帰ってきた白馬の姿には、本当に感動です。

人間の嫌なところと良いところを全部盛り込んだような一冊ですね。スーホと白馬のように深い絆で結ばれた関係、とても羨ましく思います。素敵な友情から生まれた馬頭琴。機会があれば是非、音色を聞いてみたいです。


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『プララのとんねるぶっぶー』/武内 祐人

プララのとんねるぶっぶー
プララのとんねるぶっぶー武内 祐人

大日本図書 2009-05
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まさか!?プララが車で砂のトンネルへ入ると、意外な空間が広がります!

砂で作ったトンネルに入れるなんて、体の小さいプララ(ねずみ)だからきっとできることなんですよね。子どもの頃、砂のトンネルを作って、「中に入りたい~!」と腕を肘ぐらいまで頑張って突っ込んだことを思い出しました(笑)

トンネルの中には、森があったり川があったり・・・トンネルの中なので、暗い中でのドライブになのですが、お月様が見えたってことは、もしかしてトンネルの中は夜の世界なのかも?なんて、想像力が広がりました。

キャラクターも色合いも、とてもかわいらしくて好感が持てました。未知の世界を想像させる絵本、すごく良いと思います。



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『おおきな木』/シェル・シルヴァスタイン/訳 村上春樹 

おおきな木
おおきな木シェル・シルヴァスタイン Shel Silverstein 村上春樹

あすなろ書房 2010-09-02
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ほんだきんいちろうさん訳の「おおきな木」を読んだ後に、村上春樹さん訳のこちらの絵本を読みました。同じ絵本なのに、訳者が違うと微妙にニュアンスも違ってくるんですね。

ほんだきんいちろうさん訳の絵本では、リンゴの木は男性のイメージで読んだのですが、こちらの絵本では、口調が女性になっています。あとがきを読んだところ、原文では木は「彼女」と書かれているそうです。母性としての木だったんですね。

木から与えられてばかりの少年の姿を見ていると、ふと自分の行いはどうだろう?と思わずにはいられません。親にしてもらったことは多々あっても、親に何かしてやれたことは果たして幾つあったでしょうか?

少年の転機と言える時に、身を削って力になってくれる親としての木、見返りを求めない無償の愛に頭が下がる思いがしました。

そして、木の愛をひたすら受け入れるだけの少年の姿。年老いて疲れ果ててしまった少年にとって、与えるだけの愛が果たして良かったのか悪かったのか。疑問が残ります。けれど最後、木に与えることを求めなかった少年の姿に、木は本当の幸せを初めて心から感じたのではないでしょうか。

読めば読むほどいろんな解釈の仕方が沸々と沸いてきて、全く不思議な奥深い絵本だと思います。


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『おおきな木』/シェル・シルヴァスタイン

究極の無償の愛

おおきな木
おおきな木シェル・シルヴァスタイン Shel Silverstein

篠崎書林 1976-01
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1本のリンゴの木が1人の人間に限りない愛を捧げる美しくも悲しい物語です。

リンゴの木が大好きで、毎日やって来ては遊んでいくちびっこ。
やがて大人になるにつれ、木を訪れる回数が減っていくのですが・・・

このちびっこ(成長し、途中から「ぼうや」と呼ばれるようになります)、突然思い出したようにやって来ては、木に要求ばかりしてきます。そして、ぼうやのために身を犠牲にして尽くしてばかりのリンゴの木。

困った時だけやって来て、リンゴの木に要求ばかりするぼうやに、最初、「なんてやつだろう」と思ったのですが、読み進めるうちに、リンゴの木は決して不幸な気持ちだったわけではないことに気付き、ハッとさせられました。

「きは それで うれしかった。」

上記のフレーズが、ぼうやの願いに応えるたびに出てきます。

愛を与えてばかりのリンゴの木。ぼうやが困った時に、きっかけやヒントを与えてくれるリンゴの木。それはまるで、親離れしていく子を遠くから見守る親のような気持ちだったのではないでしょうか。なかなか会えないのは、元気に暮らしている証拠。時々思い出して会いに来てくれるだけで嬉しい。困った時は言ってごらん、力になってあげるよ。

そう考えたら、なんだかリンゴの木が嬉しかったという気持ちが理解できるような気がします。ぼうやの心のどこかに、リンゴの木が存在しているということ。見えないけれど、心は繋がっているんですよね。

考えれば考えるほど奥が深いストーリー。大人向けの絵本のような気がします。


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『とうちゃんはかんばんや』/平田昌広

とうちゃんはかんばんや
とうちゃんはかんばんや平田 昌広 野村 たかあき

教育画劇 2005-05
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看板屋の仕事をしているとうちゃんに憧れている「ぼく」のお話。

ぼくは、とうちゃんの書いた看板がとても好きなんですね。
そして、とうちゃんと同じ看板屋になるのが夢なんです。

時には酔っぱらってお店に迎えに行くこともあるけれど、
そんなとうちゃんが好きで、とうちゃんが書いた看板が好きで。

そんな気持ちがじんじん伝わってくるお話です。
まるで、「ぼく」の作文を読んでいるような気分になりました。

父親の仕事を子どもが理解することは難しいと思うのですが、
そんな仕事を身近に感じられるぼくは、とても幸せなのかもしれません。

父親を尊敬し、父親と同じ職業に就きたいと思うぼく。
父親が憧れの存在として描かれている、心温まるストーリーです。


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『車のいろは空のいろ 春のお客さん』/あまんきみこ

車のいろは空のいろ 春のお客さん (新装版 車のいろは空のいろ)
車のいろは空のいろ 春のお客さん (新装版 車のいろは空のいろ)あまん きみこ 北田 卓史

ポプラ社 2000-04
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シリーズ2作目になります。
空色のぴかぴかのタクシーの運転手さんが、さまざまなお客を
乗せた時の不思議なお話が幾つか集まり、1冊の本になっています。
タクシーの運転手、松井五郎さんも元気です(笑)

前作にもありましたので、動物をタクシーに乗せてしまう流れは、
さほど驚かなかったのですが、「やさしいてんき雨」のような、
松井さん自身が動物に間違われるとか、「虹の林のむこうまで」の
ような、白鳥の気持ちを代弁したようなストーリー、はたまた
雲の妖精?と思われる子を乗せたり、人間のお客を乗せての
不思議エピソード、話の展開が想像を超えていてとても面白く
読ませてもらいました。

1つのお話が15~20ページと長すぎないので、テンポよく
区切って読み切れるのと、そのたびに新しいお話が始まるのですが、
キツネにつままれたようなストーリーが多いので、常に想像力を
掻き立てられ、途中で飽きさせない不思議な魅力があります。

松井さんのお客さんは、人間だけではありません。
動物や虫、人形におもちゃ、時には幽霊?妖精?と思われる
お客さんまで乗せてしまったりします。
動揺をするものの、分け隔てなくタクシーに乗せて送り届ける
松井さんの人柄、それがこの本の一番の魅力なんだと思います。



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『ぼくがラーメンたべてるとき』/長谷川義史

ぼくがラーメンたべてるとき
ぼくがラーメンたべてるとき長谷川 義史

教育画劇 2007-08
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絵本のタイトルから想像して、笑えるストーリーなのかな?と
思ったのですが、全く違いました。

タイトルを詳しく書くとすれば、「ぼくがラーメンを食べている『その』時」
ということになるんでしょう。

ぼくがラーメンを食べているその時、いろんな場所で、いろんな国で、
いろんな人がいろんなことをしているわけです。

世界には、いろんな境遇の人がいるわけで、
みんながみんな、幸せだとは限らないんですよね。

「ぼく」と同じ子どもが、別の国では、水を汲んでいたり、
牛を引いていたり、パンを売っていたり。
衝撃的だったのは、倒れている子がいたこと。

同じ時を過ごしているのに、世界にはいろんな国があって、
いろんな人がいて、同じ地球に住んでいながら、おかれている境遇は様々で・・・

ページをめくるたびに言葉がループになっていて、最終的に
「ぼく」の場所へ戻ってくることで、世界が繋がっていることを
上手く表現されているように思います。

自分の身近なことだけではなく、世界を見渡せる目を持つこと。
地球上のみんなが、平和に過ごしているわけではないこと。
子ども達にそういう感覚を意識させる絶好の絵本だと思います。

ただ、これといって特別な説明がないので、読み終えて「それで??」と
思ってしまう方もいるのではないでしょうか。

実は、主人と息子にこの絵本を読ませてみたのですが、上記の感想でした。
長谷川さんの絵を見慣れていなかったせいか、「絵がなんか見にくい」とのこと。
絵から感じられる情報をうまくキャッチできなかったようです。
確かに、文章だけで作者の意図を感じるのは、ちょっと難しいかなと思います。

個人的には、早々に日本から離れて、他国の場面をもっと取り入れて
欲しかったかなと思います。
最後、裏表紙で、男の子が立ち上がっている絵を見て、ホッとしました。

とてもメッセージ性の強い作品だと思います。


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『ピンクのれいぞうこ』/ティム・イーガン

ピンクのれいぞうこ
ピンクのれいぞうこティム イーガン Tim Egan

ひさかたチャイルド 2010-10-01
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作者の名前・・・どこかで聞いたような・・・と思ったら、
以前読んだ絵本「まじめなフレッドおじさん」の作者だったんですね。
今回は、ぼうっとしているのが好きな、ドズワースのお話。

どうやら、ガラクタ置き場でまだ使えそうなものを拾ってきて直し、
自分のリサイクルショップで売って生計を立てているようです。
なんだかとても現実的(笑)

そんなドズワースがいつものようにガラクタ置き場へ行ってみると、
ピンク色のさび付いた冷蔵庫が1台ありました。
その冷蔵庫が、ドズワースの生活に新風を巻き起こすことになります。

なんといっても、不思議なのはこの冷蔵庫。
マグネットでメモが留めてあるのですが、冷蔵庫の中にはなんと、
そのメモにちなんだアイテムが入っているんです。
「高く売れるぞ!」と持ち帰ったドズワースでしたが・・・

ここまで読んで、リサイクルショップの経営のお話なのかと
思ってしまったのですが、なぜかドズワーズは持ち帰ったものを
売る気にならないんですよね。

これって、もしかして冷蔵庫の魔法??
冷蔵庫の中から出てきてアイテムが、平凡だったドズワースの生活に
少しずつ変化をもたらします。

絵本の中では、ドズワースはねずみの姿で描かれているのですが、
私にはなぜか1人の人間にしか思えず、人間に置き換えて絵本を読みました。
世の中には、ドズワースのように平凡な毎日に満足してしまって、
何かをやろうという気さえ起こさずに過ごしている人が何人いることか。

ピカピカに磨かれた地球の形のマグネットとあのメモは、きっと
世界を見るためのチケットだったのではないでしょうか。

いつもの景色も、気の持ちようで別な景色に感じるもの。
行動を起こせば、もっといろんな景色が見えてくるもの。

絵本を通して、作者のそんな思いが伝わってきたように思います。
毎日を平凡に感じている大人に、是非読んで欲しい一冊です。


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『たまごにいちゃん』/あきやまただし

たまごにいちゃん (ひまわりえほんシリーズ)
たまごにいちゃん (ひまわりえほんシリーズ)あきやま ただし

鈴木出版 2001-09
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あきやまただしさんの絵本は、子供が園児だった頃に大好きだったので、
「へんしん」シリーズ、「まめうし」シリーズなど、さんざんお世話になりました。
子供も大きくなった今、かなり久しぶりにあきやまただしさんの絵本を読んだのですが。

・・・おもしろい(笑)

卵から出たくないという理由で、殻を被ったままの姿をした鳥(?)、
それが、「たまごにいちゃん」です。見た目、かなり変な生き物です(笑)

卵の姿だからこそ出来るあんなことや、こんなことをやっているシーンが
あるのですが、それがまたとても微笑ましくて笑えます。
でも、ひょんなことから思いがけず殻が割れてしまい・・・

殻が割れてしまってがっかりな たまごにいちゃんですが、最後のページ、
水たまりに映った自分の姿を見た一言がとてもいいんです。
ありのままの自分を受け入れるって、とても大事なことですよね。

そして、ありのままのたまごにいちゃんを、すんなり受け入れた
お母さんと弟も、とっても素敵です。

それにしても、ずっと小さい子ども(卵)のままでいたいっていう気持ち、
わからないでもないですよね。
子どもも大人もきっと共感できるストーリー展開なのではないでしょうか。

ちなみに、このたまごにいちゃん、シリーズ化しているようです(笑)

たまごにいちゃんセット(既13巻)
たまごにいちゃんセット(既13巻)
鈴木出版 2014-04
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